デンマークの医療
高福祉高税デンマークの医療費は納めた税金から
国民全員に家庭医が割り当てられており、病気などにかかった際はまずこの家庭医に診てもらいます。統計によれば、85%がこの家庭医による診察で解決するとされています。症状が重度であり、専門医による診断が必要な場合には、家庭医から紹介を受けて総合病院へ行くシステムになっています。このシステムは医療費節約にも大きく寄与しています。 ただ、歯科治療は特別。18歳までの若者は租税が還元され国が費用を負担します。小中学校には自治体専属の歯科医がおり、子ども達は卒業までに虫歯治療はもちろん、矯正もすべて終えて社会人になるのが一般的です。成人の治療は有料です(自己負担70%)
デンマークの教育
高福祉高税デンマークの教育費は
納めた税金から
デンマークの幼稚園や保育園では原則、読み書きや算数を教えてはいけないことになっていました。しかしながら、最近では親たちからの要望もあり、少しずつ教える傾向にあります。ただし、今まで家庭にいた子ども達が初めて接する「社会」であるため、遊びを通して人とのコミュニケーションの取り方、社会性を学ぶことに重点が置かれています。遊びが主体となっていた環境から、学校という授業が主体となる環境に慣れるため、2007年度から6才~7才児の0年生クラスを設け、入学を義務づけるようにしました。
日本の小中学校に当たる国民学校は、0年~9年までの10年制。1クラス定員28人。ただしこれは文部省の規定であり、ほとんどの場合は自治体がこの枠の中で教室の大きさを考慮しながら確定します。地域によっては1クラス28人在籍することもあれば、20人前後というのも珍しくありません。同じクラスの一つの科目の授業であっても、子どもの能力に応じて使う教科書が違ったり、同じ教科書でも生徒によって進み具合が異なったりすることがあります。通常、4、5冊の教科書が一つのクラスの科目で使われています。さらに、進路を見定めるために1年の延長を選択することができる10年生が存在します。日本の高校に当たるジムナシウムへの進学率は約55%。他大半は職業別専門学校に進み、ほんの一握りだけが就職します。したがって高校から大学への進学率は高く、大学で学ぶことを目的として高校に進学するといっても過言ではありません。大学は大学一般学部と職業専門学部 に分かれています。
税金からの還元
社会福祉国家としての財源は国民が納める税金。国を動かす政治への関心
デンマークの社会構造は高福祉高税であり、消費税は25%です。所得税は収入によって変わりますが、2013年は世界最高の60.2%でした。(OECD調査) このように高税による還元は医療、教育、介護などに反映されています。そのため国民は自分が払った税金の行方や、それを左右する政治への関心も、中高生の頃から教育を通して強くなってきます。選挙の投票率は86% (2015年6月OECDの調査)